2021年の春に行った九州旅行。大分県の別府温泉に宿泊しました。
別府温泉といえば、「別府地獄めぐり」は外せない観光名所ですよねっ!
「別府地獄めぐり」は、皆さんご存知の通り7つの地獄で構成されているのですが、7つと聞くと「これ全部回る時間あるかな~?」とか「途中で疲れちゃうかもしれない・・」など、色々と悩んでしまいますよね。
まさに、私たちがそうでした。
事前に調べたところ、全部回るのに2時間プラスアルファはかかるという情報が・・。
さすがに、精神的、肉体的に全て回れる自信が無かったので、「見たい順に回って、疲れちゃったら後は諦めよう」という緩いスタンスで臨むことにしました。
ところが、蓋を開けてみたら最初に感じていた不安はどこへやら、行く先々で楽しめたので、気がついたら全ての地獄を回り切っていました。
その所要時間は2時間40分。事前情報よりは少し多めですが、非効率な回り方をした割には短かった印象です。
今回は、この無駄に彷徨(うろつ)きながらも、そこそこの時間で収めた経験を踏まえて、一般的に言われる「別府地獄めぐり」の所要時間について考察しつつ、各地獄をご紹介したいと思います。
「別府地獄めぐり」のおすすめルートと所要時間
基本のおすすめルートの場合
それでは、まずは基本のおすすめルートを押さえておきましょう。
実は、基本のおすすめルートは、次の画像のように「海地獄」の無料駐車場に設置されている案内図で紹介されています。
各地獄の位置関係から見ても、現地を巡ってみた経験からも、「その通りだよね」と感じられるものです。
このおすすめルートを元に、各地獄の移動時間と滞在時間を次の図の様にまとめてみましたので、よろしければご利用ください。
「地獄めぐり」は、「海地獄」を起点にするのが一般的な様なので、クルマを利用して「海地獄」に行き、そこからスタートする様に組み立てています。
これに、今回まわってみた経験から、各地獄での所要時間の最短と最長を見積もります。
その結果、弾き出された所要時間は、最短で110分(1時間50分)、最長で250分(4時間10分)となりました。
(もちろん、営業時間中は居られるので、それを最長とすれば9時間になる訳ですが・・)
この図の見方は次の通りです。
■①~⑤と⑥~⑦は、3kmほど離れていてエリアが異なるので色分けしました。
■国指定名勝には、地獄名の上にリボンを表示しています。
■地獄名の下の四角で囲った数字は滞在時間の目安です。
(最短はサッと見て回るだけ。最長は軽く足湯を楽しんだり、龍巻地獄の間欠泉の様にイベントが周期的な場所では、それを最大に見積もった時間にしています。)
■地獄名の間の矢印内の数字が、目安となる徒歩での移動時間です。
(※印は、海地獄駐車場に徒歩で戻ってからクルマで移動する時間を含みます)
おすすめルートのアレンジ版の場合
基本のおすすめルートでは、③④⑤の3つの地獄の巡る順序を番号順にしていますが、「海地獄」駐車場に戻ることを考えると、「海地獄」駐車場から遠い順に⑤④③と戻りながら回るのが心理的にも楽と思えたので、アレンジしてみました。
この場合でも、所要時間に変わりはありません。
参考:2時間40分で回ったルート
私たちが2時間40分で回ったルートは次の通りです。
欲望に忠実に、ただ見たいと思った心のままに、地獄から地獄へと飛び回ったルートです。
①海地獄(滞在15分)
②鬼石坊主地獄(滞在10分)
—–休憩(滞在15分)—–
⑥血の池地獄(滞在15分)
⑦龍巻地獄(滞在20分)
⑤白池地獄(滞在15分)
③かまど地獄(滞在30分)
④鬼山地獄(滞在10分)
※これ以外に移動時間で30分
②と⑥の間、⑦と⑤の間、⑤と③の間というように、クルマで移動する回数が多かったこと、②の後で15分ほど休憩して「地獄蒸焼プリン」を食べたこと、⑦龍巻地獄が噴出するのに15分待ったことが、見積もった最短時間との主な誤差要因ですね。
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「地獄めぐり」営業案内
「別府地獄めぐり」に関する基本的な情報をお伝えしておきます。
営業時間
8:00~17:00 年中無休
入場料金
共通観覧券と個別の地獄の入場料金は下表の通りです。
共通観覧券は、どの地獄の窓口でも購入できて、購入した日の翌日まで有効です(ただし、各地獄への入場は1回限りです)。
共通観覧券は、5ヶ所の地獄を巡るのであれば、個別料金と金額がトントンになります。
項目 | 大人(高校生以上) | 小人(小・中学生) |
---|---|---|
★共通観覧券 | ||
・個人 | 2,000円 | 1,000円 |
・団体30人以上 | 1,300円 | 650円 |
・障がい者(個人) | 1,000円 | 500円 |
・障がい者30人以上 | 800円 | 400円 |
★各地獄の入場料 | ||
・個人 | 400円 | 200円 |
・団体30人以上 | 300円 | 150円 |
・障がい者(個人) | 200円 | 100円 |
※表に示している方以外の料金は、「別府地獄組合」の公式サイトにて条件等をご確認ください。
駐車場
各地獄の目の前に備えられている駐車場の駐車可能台数です。全て無料です。
全ての地獄に無料駐車場があることから、体力に不安のある方や足の不自由な方などは、クルマで回ることも可能なので安心です。
地獄名 | 駐車可能台数 | バスの駐車利用 |
---|---|---|
■海地獄 | 225台 | ◯ |
■鬼石坊主地獄 | 35台 | |
■かまど地獄 | 35台 | ◯ |
■鬼山地獄 | 60台 | ◯ |
■白池地獄 | 55台 | |
■血の池地獄 | 130台 | ◯ |
■龍巻地獄 | 160台 |
足湯
足湯があるのは4ヶ所。
「海地獄」、「鬼石坊主地獄」、「かまど地獄」、「血の池地獄」で、全て無料です。
お土産
「海地獄」、「かまど地獄」、「血の池地獄」、「龍巻地獄」に土産物店があります。
規模が大きめなのは、「海地獄」と「血の池地獄」です。
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7つの地獄
それでは、「別府地獄めぐり」の7つの地獄をご紹介します。
ここでは、基本のおすすめルートの順になっています。
【海地獄】クールだと思って触れたら火傷しちゃうぜ!
大抵の方が、最初に回ることになるのが、ここ「海地獄」です。
張り切って参りましょう。
「海地獄」の長屋門をくぐるとそこは、熱帯性の睡蓮の花が咲く池です。
この先に待ち受ける地獄との対比で「極楽」ということかな?
左手に花が咲くツツジの植栽、右手に睡蓮の池を眺めながら静かな庭園の中を進み、その先にある売店の店舗の中を抜けていくと・・・
轟音を発しながら噴出する蒸気と共に、きれいなブルーの池が現れます(池の色は涼しげですが、98℃もある温泉なので、決してさわってはいけません)。
陽が出ていればもう少しきれいな青が見られるのだと思いますが、大地の息吹って言うんでしょうか、とにかくすごい迫力でビックリしました。
あと、触れられることが少ない様ですが、園内には赤池地獄や温室があったりもします(事前に知らなかったので見過ごしました、ハイ)。
【鬼石坊主地獄】坊主よ、粘り強くあってくれ
次は、お隣の敷地にある「鬼石坊主地獄」です。
粘土の気泡が、「ボッコォッ」と出るやつですね。
さて、坊主の方は・・・あれれ、実物はイメージしていたよりも水気が多くて「ポコポコッ」でした。
私が以前からイメージしていたのは、「ボッコォッ」っていう粘り気があって、一つ一つの気泡のできている時間がもう少し長いものだったのですが、意外とサラリとしたものだったんですね。
こちらは、蒸気が「ゴーッ」っと音を立てて噴き出している「鬼の高鼾(たかいびき)」。
蒸気の噴出量や音は、「海地獄」の方が多く大きいので、迫力があるかな。
ちょっと一服
少し小腹がすいてしまったので、「鬼石坊主地獄」のあとに「海地獄」の長屋門のそばにある「カフェテリア海」で「地獄蒸焼プリン」を堪能しつつ、ちょっと休憩です。
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【かまど地獄】イロモノじゃない!6つの顔を持つ実力派だぜっ!
「かまど地獄」は、「海地獄」駐車場から数分ほど海側に下ったところにあります。
一丁目から六丁目までの地獄があって、地獄めぐりの各地獄の特徴が集約されたようなところです。
ここは、1ヶ所で色々な地獄を見ることが出来るので、予想外に楽しく、「地獄めぐり」をする時間が無かったら、ここだけでも良いくらいです。
こちらは、粘土が溶け出ている「一丁目」。
ここは「二丁目」。
パンフレットなどで紹介されているところですね。
八幡竈門神社の伝承の「朝日を見て逃げた鬼」に竜神様がにらみを利かせてるの図だそうです。
「海地獄」の様にきれいなブルーの「三丁目」です。
写真映りは、明らかにこちらの方が良いですね。
地獄だけじゃなくて「極楽」もあります。
ここは一杯10円の飲泉です。
試してみた奥さんによると、「すごくしょっぱい」とのこと。
お湯は80度と熱いので気を付けてください。
蒸気を使ったこんな「極楽」も・・。
私も試しに鼻から吸引してみたところ、犬のように潤いのあるお鼻になりました。
こちらは「四丁目」。
地下の粘土が溶けて出てきているものなので、「一丁目」と似たようなものですが、噴出孔が盛り上がってきているので、粘り気が強いのかもしれませんね。
こちらは、日によって池の色が変わるという「五丁目」。
この日は薄いグリーンでした。
最後は、「血の池地獄」よりは若干クリーミィな赤の「六丁目」。
以前は灰色だったのが、この様に変化してきているそうです。
この「かまど地獄」に来てみて感じたのは、色々あって本当に面白かったということ。
実は、間欠泉の待ち時間があった「龍巻地獄」は別にして、一番滞在時間が長かったのがこの「かまど地獄」でした。
【鬼山地獄】時節柄ワニも巣ごもり
次は、「かまど地獄」の入口の道をはさんで反対側にある「鬼山地獄」です。
この日は平日だったこともあり、ワニの餌やりはのショーはお休みでした。
湯気の向こうでは、「昭和23年からここに座っているので尻が痛い」とぼやいている鬼が座っています(鬼山地獄のホームページを参照)。
78年間か・・意外に我慢強いですね。
建物の中には、ワニのはく製や骨格標本などが展示されています。興味のある方は、ベンチに座ってじっくり見ることができます。
こちらには、アリゲーター(アメリカ大陸等に棲息)とクロコダイル(アフリカ・オーストラリア等に棲息)の2種類にワニがいます。
この日は、餌やりのショーもなく、身を寄せ合って出番のない休日の午後を静かに過ごしていたので、そっとしておいてあげました。
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【白池地獄】安らぎの地獄、ピラルクもいるよ!
次は、「白池地獄」。「地獄めぐり」で4つある国指定名勝の一つです。
ここは、周囲を鉄輪温泉のホテルに囲まれた静かなエリアにあります。
他の地獄と比べて人が少ないので落ち着きますね。
「ボォーッ」と静かに95℃の蒸気が噴き出す音が聞こえますが、和風庭園の雰囲気と相まって、こころ静かに過ごすのに向いています。
こちらには、温泉の熱を利用して熱帯魚を飼育している「熱帯魚館」があります。
写真の蒸気の向こう側に見えるかまぼこ型の建物です。
アマゾン川に生息する巨大魚のピラルクや、ピラニアを見ることができます。
ただ、蒸気の吹き出す音だけが聞こえてきます・・。
【血の池地獄】静かに沸々と赤い血潮がたぎる
「血の池地獄」と「龍巻地獄」は、「海地獄」のあるエリアから3kmほどはなれたところにあるので、クルマで移動します。
駐車場から門をくぐり、中に入って行きます。
こちらも売店を抜けて行った先に地獄があります。
うわっ!マジで赤い!。なんですかこれ?本当にこんな池が有るんですね。
背景の鬱蒼(うっそう)とした森とのコントラストで不気味にも見えますが、先ほどの2つの地獄と違って蒸気が噴き出す音も無く、ただ静かに湯気をたたえた真っ赤な池がそこにあるという感じなので、意外に静かに過ごすことができます。なお、他の地獄よりは低いとはいえ、池の温度は80度もあります。
池の裏側に回り込んで登った高台からの眺めです。
奥に見える四阿(あずまや)は足湯です。
【龍巻地獄】必殺のリアル間欠泉地獄だ!
最後は「龍巻地獄」です。昭和のスポ根アニメやロボットアニメの必殺技として出てくるような名前でワクワクしますね!
位置は「血の池地獄」の東側。一旦駐車場に出て、前を走る道路に沿って歩けばすぐに着きます。
こちらは、約30分ごとに噴出するリアルな間欠泉です。
到着して15分ほど待っていたら、噴き出し始めました。
本物の間欠泉を見るのは、人生で初めてなので興奮しました。
アーチ状の屋根の下にあるひな壇の上から撮影した「龍巻地獄」です。
自然のままだと、105℃もある噴気が30m位の高さに噴出して危険なので、周りを岩で囲ってあるそうです。
個人的には、そちらのすごさを見てみたい気はしますが・・・。
まとめ -とにかく全て回ることをおすすめします-
結局、特に強い目的意識もなく「別府地獄めぐり」をスタートしてしまったのですが、7つの地獄すべてを回り切ることができました。
かなりやり切った感があります。例えて言うなら、「あしたのジ◯ー」のホセ・メンドーサとの死闘・・いや、古すぎるので「SL◯M DUNK」の山王戦くらい言っておきますか・・。
これまで自分の中では、「別府地獄めぐり」というと、団体旅行が主流だった昭和感満載のベタな観光名所というイメージだったのですが、とんでもない間違いでした。自然の力を感じられて、大人に限らず、子供たちにとっても経験や学習の観点から、とても素晴らしいところです。
もちろん、私たちの様な観光客を迎え入れるために、きれいに整備したり、お金と労力をかけて再開発したりと、地元の方々の努力が有ってのことだとは思いますが、これまで持っていたイメージは逆転し、とてもポジティブな驚きを感じることができました。
そんな経験から、みなさんにはとにかく全ての地獄を回ってみることを強くおすすめしたいです。どこでもお好きなところからで良いので、時間の許す範囲で全ての地獄を回って、見て、体験して欲しいと強く訴えたいです。国内でも、この別府の地にしか無い唯一無二のものなので、それだけの価値がありますし、きっと私達のように旅を楽しんで終えることができると思います。
最後に、みなさんにも同じ感動を得ていただけることを願いつつ、この記事のまとめとしたいと思います。
<参考>
・「別府地獄組合」の公式サイト
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