前回、「奥日光 森のホテル」に宿泊したのは2021年8月です。
このときの印象が非常に良かったので、2022年10月の紅葉の時期に合わせて再び利用させてもらいました。
ただ、昨今の物価やエネルギー価格の上昇による影響なのか、食事内容の低下は否めず、悲しい気持ちを抱えながら帰ることになってしまいました。
外観
こちらのホテルは、湯ノ湖から見てホテルエリアの一番北側の通りを西に少し入った場所にあります。
周りを木々に囲まれた、北欧をイメージさせる白い壁のこじんまりした2階建ての建物になっています。
[広告]
館内
概要
客室数は25部屋。収容人数は最大でも120人という規模です。
大勢の人と接触する機会は食事の時くらいなので、落ち着いて過ごすことができます。
エントランスで靴を脱いだら、館内履きなどを履かずに靴下や部屋に備え付けの足袋着用で過ごすスタイルなので、靴の汚れが館内に持ち込まれることが無く、清潔感が高いです。
ロビーからラウンジ周辺は微妙な高低差がありますが、緩やかなスロープが設けられていたりエレベータもあるので、車いすでの利用にも支障はありません。
壁や床、家具など、木材がたくさん使われており、まさに北欧の雰囲気です。
ラウンジ
ラウンジは、テーブル席のエリアと暖炉の周囲にロッキングチェアなどが設えられたエリアがあります。
テーブル席では、チェックイン手続きをしながらウェルカムドリンクをいただきました。
暖炉エリアの窓際で、朝の光を感じながら、のんびりと朝食後のコーヒーを飲む時間が、非日常を感じさせてくれます。
ごしんぼくテラス
中庭の「ごしんぼくテラス」。
ウッドデッキが設けられていて、外履き用のサンダルでひと回りできます。
前回訪れた時の夏の濃い緑の庭も良かったですが、周りの木が落葉した中で、秋晴れの下にどっしりと構えるご神木も素敵でした。
杜のダイニング
「ごしんぼくテラス」を囲むL字型の建物の一辺がラウンジで、もう一辺が「杜のダイニング」です。
こちらで夕食と朝食をいただきます。
床がフローリングなんですが、床暖房が入っているお陰で、靴下や足袋で過ごしていても全く冷たさを感じませんでした。
また、テーブル間隔は、周囲が気にならない程度に適度な距離が確保されています。
大浴場と貸切家族風呂
ラウンジ横のこのドアが、浴場への入口です。
ドアをくぐると左手に貸切家族風呂、奥に大浴場があります。
入口の手前左右には、サイズ分けされて浴衣と作務衣が並べられており、好きなものを選べます。
浴衣と作務衣の両方を選んでも良いとのことでした。
こちらは、前回宿泊時に利用した貸切家族風呂です。フロントで利用を申し込みます。
お湯の色が黒い「黒墨の湯」と緑がかった乳白色の「翡翠の湯」の2種類があるのですが、このとき案内されたのは大浴場同様に硫黄泉の「翡翠の湯」でした。
広さは、湯船と洗い場を合わせて1.5畳程度でしょうか。湯船に1人、洗い場に1人が限度かもしれません。
利用料は45分で2,200円です。
客室
今回は、念願叶って3室しかない露天風呂付ラグジュアリールームに宿泊できました。
前回は、建物の2階にある客室でしたが、今回は1階でした。
共に、ツインのベッドルームと続きの琉球畳の和室という和洋室の部屋です。
調度品には差があります(前回、窓際に有ったのはローテーブルとソファで、和室には家具は無し)が、同程度の広さで落ち着いて過ごせます。
露天風呂には、シャワールームにあるドアから出入りできます。
お風呂は源泉かけ流しで、お湯の温度が70℃と高いため、吐水口横に付いている水栓をひねり、加水して適温にしてからでないと火傷しますので、気を付けてください。
部屋に備え付けられていた温泉成分表です。pH値は6.5ということで、思っていたほど酸性が強い訳ではないようです。
その他、部屋備え付けの備品類です。冷蔵庫内には、水が満たされたピッチャーも用意されていました。
[広告]
食事
食事は、前回宿泊時と大きく変化していました。
前回も今回もスタンダードコースだったのですが、季節が違うからという理由だけでは無さそうです。
比較できるように、前回の食事の画像も掲載しておきます。
夕食
2022年10月
先付と前菜、そしてお椀。
北寄貝、生湯葉、アボガド、柚子蒟蒻のお造り。蕪の煮物と鱒の焼物。茄子トマトチーズ揚げ。
味噌仕立ての牛肉の鍋物。この後にサツマイモご飯をはさんで、最後にデザート。
2021年8月
前回宿泊時の夕食です。
まずは、先付と前菜、川魚(岩魚)の刺身、蒸し物。
鰻の蒲焼、天ぷら、和牛のすき焼きと続きます。
ごはんと汁物をはさんで、最後にデザート。
ごはんには、コーンがまぶしてありました。
朝食
2022年10月
今回は、バイキング形式なので、とりあえず食べたいものを選択。
2021年8月
前回の朝食です。写真の料理以外に、魚の焼き物と野菜の蒸し物とヨーグルトがありました。
このときは個々に配膳していただきました。
タカの目チェック(女性目線での評価)
私の奥さん「タカ子」さんが、女性目線で気になった点を挙げてくれました。
女性の皆さんに参考にしていただけたら嬉しいです。
ウェルカムドリンク
今回のウェルカムドリンクは、料理長お手製の玉蒟蒻とお茶です。
ただ、個人的には、前回の「あんみつ」の様に、旅の疲れが癒せるスイーツが良かったかな。
驚くほど質が落とされた料理
昨今の食材やエネルギー高騰の影響なのか、2021年夏に宿泊した時よりも、スタンダードコースが明らかに質の低下した料理に変わっており、ショックを受けました。
かなりのコストダウンをしているのか、一品一品が貧相で量も少なく、淡い色で構成されているからか見た目の美しさにも欠け、懐石料理の良さが消えておりました。
前回の経験から、ここの料理長の技量はこんなものでは無いと感じているので、むしろ物価高の波がここまで来たことを目の当たりにした思いです。
この点については、せめて変更後のスタンダードコースの料理の写真をホテルのホームページや旅行サイトに載せておいて下されば、特選メニューの方を選ぶことが出来たのにと残念でなりません。
露天風呂付きラグジュアリールーム
部屋の広さはスタンダードルームと一緒ですが、革張りのストレスレスチェアーと脚を伸ばせるソファが有り、気持ち良く寛げます。
極め付けは、家族が同時に入れる程広い浴槽の露天風呂ですね。
源泉掛け流しの濃い白濁した温泉がいつでも入れてサイコーです。
昼間はぼんやり山を眺めながら、夜は満天の星空を眺めながら、人の目も無くゆったり自分のペースで入浴出来るのは最高の贅沢ですね。
部屋のアメニティ
部屋には、POLAの化粧水や乳液に加えて、小さなボトルに入ったアロマエッセのボディローションがありました。
洗浄効果の高い温泉には有難い配慮です。
[広告]
色浴衣と作務衣
昨年夏に来た時は、浴衣か作務衣を一人一枚のみとなっておりましたが、今回は何枚取っても良いとのことで、浴衣一枚と寝巻き用に作務衣をお借りしました。
温泉に行くとやはり浴衣が着たくなる私タカ子ですが、寝る時は作務衣の方が好みなので嬉しいサービスでした。
貸切家族風呂について(2021年8月宿泊時のコメント)
大浴場の岩風呂も素敵なのですが、私は半露天の家族風呂がお気に入り。
屋外のお風呂と違って木の葉や虫などのゴミが浮いておらず清潔で安心。
人の目が皆無なので心からリラックス出来ます。
避暑地である奥日光は、真夏でも平均気温が18.9℃と快適そのもので、夜はさらに涼しく網戸の入った窓から入る風が心地良く、少し熱めのお湯との相性も良い。
また、湯船に蛇口が付いているので、熱いお湯が苦手な方は水を出して好みの温度に調節も出来ます。
最後に
2021年8月に続いて、2022年10月に再訪した「奥日光 森のホテル」の紹介でした。
ホテル全体として華美な装飾はありませんが、家具やインテリアに木のぬくもりを感じられる造りになっていて、気張らずにとても落ち着ける、また、靴下や足袋で歩き回ることに配慮して、フローリングでも床暖房が設置されているなど、洋風なのにまさに自宅にいるような感覚で過ごせる面白いホテルという印象に変わりはありませんでした。
ただ、昨今の物価、エネルギー価格の上昇や、観光需要喚起策として全国旅行支援が開始された時期と重なったこともあり、前回の宿泊時と状況が大きく変わっているため、ホテルのサービスに影響が出ていることも実感しました。
特に、物価上昇の影響をもろに受ける食事の変化は大きく、これを取り仕切る料理長のご苦労が偲ばれます。
とはいえ、前回の良い印象のままに利用した立場からすると、肩透かしを食った感は否めません。
奥日光のイメージを保ちつつ、献立を組み立てていただいていることは、前回同様に感じることはできたのですが、同時に、予算的な制約が厳しいことも容易に想像がつく内容でした。
予算的に厳しいのであれば、アメニティなど他のサービスとのトレードオフや宿泊費への価格転嫁ということもありますので、検討していただいた方が良いと思います。
また、初めて利用する方にとっては、ホームページに掲載されている画像などが判断の拠り所になるので、誤解が生じることの無いよう、有効に活用して情報を発信していただくことも必要でしょう。
私たちが、こちらのホテルに再訪したのは、初回で良い印象を持ったからこそなので、エールを送る意味で少し辛口のコメントをさせていただきました。
何者でもない一個人の意見に過ぎませんが、今後への期待を込めてまとめの言葉としたいと思います。
<関連情報>
「奥日光 森のホテル」公式サイト
[広告]
コメント