2024年11月。
この夏に計画していたツーリングが台風で潰れてしまったこともあり、このままでは近場のお散歩ツーリングだけで今年が終わってしまう・・という思いもあり、気候的に最後のチャンスに出かけようと思い立ちました。
そこで、オートバイでは上陸したことが無い四国にロックオン!
関東から出かける先としては、四国(特に高知県)は何となく心理的な障壁が高いのですが、東京港有明からフェリーを使って翌日の昼に徳島に着く方法が有ることに気づき、高知県の足摺岬まで行ってみることにしました。
ツーリングの詳細
自宅~徳島港


出発の日、仕事は午前中のみの勤務で切り上げて速攻で帰宅。
オーシャン東九フェリーは19時出港なので、余裕を持って2時間前に着けるように自宅を16時に出発。
途中、国道357号を東京湾に沿って進んで「有明二丁目」で曲がれば良かったのに、城南島から海の下を通るルートをとってしまったため、うまくフェリーターミナルへの導入路に入ることができずに方向転換しなければならないハメにはなったけど、何とか1時間程で初めての東京フェリーターミナルに到着できました。
乗船予定のフェリーは「りつりん」です。


誘導された車両待機場所にオートバイを止めて、ターミナルビルに向かいます。
受付カウンターは2階、待合所は3階にあります。
車両と共に乗船する人は車内やその側で待っていることが多いので、待合所の利用者は徒歩で乗船する方が多いのかもしれません。

2階の受付カウンター側に設置されている自動発券機で乗船券を発券します。
この画像右側のものは、車両に貼り付けておく行先表示用のシールです。
乗船時間になり、オートバイが先に乗船開始となります。
翌日の徳島到着時の天候は荒れていることが予想されていたので、着替え等と併せてレインウェアも持って部屋に向かいます。


今回利用するのは、2名用の個室です。
簡素な2段ベッドの部屋で、バス・トイレ・洗面台等の設備は設置されておらず、共用の設備を利用することになります。
ベッドは、数センチの薄いマットが乗せてあるだけなので、寝心地はそれなりです。
なお、こちらのフェリーは、乗船客用の施設は1階層に全てまとまっています。


部屋に荷物を置いて、サッサとシャワー浴びに行きます。
まだ出港準備中の時間なので、混雑しておらず余裕をもって利用することができました。
サッパリしてから、食事スペースの「オーシャンプラザ」に向かいます。




このフェリーには、レストランが有りません。
そのため、食事は乗船前に購入して持ち込んでくるか、「オーシャンプラザ」に設置されている自動販売機で冷凍食品を購入して電子レンジで加熱して食べることになります。
動画は、この日の夕食「五目ご飯と鶏と野菜の黒酢あん」です。
水やお茶は給茶機で注いで飲むことができます。
それにしても、この微振動。これが寝てる間も体に伝わってくるんですよね。


食事を終えたら翌日の朝まで何もすることが有りません。
ちょうど出港して東京ゲートブリッジを通過するところだったので、展望デッキに出て眺めたり、船内を探検したりしていましたが、1フロアだけなのですぐに見終わってしまい、すぐに部屋に戻りました。
そうそう、船内にWi-fi設備は設置されていなので、陸から離れたらスマホで暇つぶしすることもできません。
・・・ということで、翌日に備えてできるだけ寝ようと早々に横になりました。
翌朝は、7時頃に起床。
案の定、昨夜は船の振動が気になってあまり寝た気がしません。
ぼんやりした頭で「オーシャンプラザ」で朝食を取って、もうひと眠りすることに。
船の振動は相変わらずでしたが、11時頃まで体を休めることができたので、徳島港に到着する頃には何とか当日の移動に対応できるレベルには回復することができました。
徳島港~四万十市
前日に東京港フェリーターミナルを出港してから約18時間後。
徳島港(沖洲のりば)に到着しました。
よりによってこの時期に、台湾から急カーブを描いて中国四国地方を目がけて進んで来た台風。
九州の手前で温帯低気圧に変わったとはいえ、ちょうど徳島港に到着するあたりで前線の影響が大きく、1時間当たり10mm程度の降水量はありそうでした。
レインウェア、ブーツカバー、レイングローブの準備をして雨の中に飛び出します。このとき13時30分。
徳島沖洲ICから徳島南部道に入り、徳島自動車道を走っている間はザーザー降り。
その後、高知自動車道とつないで徳島県から高知県に入った頃には、先ほどまでの天気が嘘のように晴れ渡り、気温も上がってレインウェアを着ていると暑くて仕方がなくなってきたため、南国SAにて休憩します。
天気アプリで確認したところ、この先のルートの天候に問題は無さそうだったので、レインウェアやブーツカバーなどは全て脱ぎました。
ここまで約150㎞を約2時間15分掛けて走破。


この日の目的地は、四万十市のホテル「新ロイヤルホテル四万十」。
日が暮れてしばらく経った18時ちょうどに到着しました。
ここまで徳島港から4時間30分。距離にして約280㎞。
ほぼ高速道路中心のルートではあるものの、天候の影響が予想されたため、19時までに到着出来たら良いと考えていましたが早く着けて良かったです。暗い中を走るのは、あまり好きではないので・・。
こちらのホテルは、四万十市役所の近くに立地するシティホテル。
結婚式場なども備わっています。
予約時は意識していなかったのですが、大浴場は温泉でpH9.8のアルカリ性単純泉。
お湯はぬめりが有り、湯上りは「汚れが落ちたー!」って気分になれました。
サウナも付いてますよ。
勝間沈下橋
翌朝、ホテルを6時20分に出発。
以前から行ってみたかった四万十川に掛かる沈下橋を見に行くことに。
四万十市街からは佐田沈下橋や三里沈下橋の方が近いのですが、もう少し山に近い方に行ってみた方が良いかなと考え、訪れたのはホテルから約15㎞の勝間沈下橋。20分程で到着しました。

十分に太陽が昇る前の時間だったので、川よりも山の方が明るかったです。
オートバイに乗ったままで渡ってみたかったけど、対向車が来たら焦りそうだし、ふらついて川に落ちることにでもなったらそこでツーリングは終了なので、無事に家に帰り着くことを最優先し、眺めるだけで我慢しておきます。
川原に下りて「最後の清流」と謳われる四万十川を楽しもうと思ったのですが、昨日までの悪天候の影響で「濁流」が渦を巻いていました(まあ、予想はしていましたけどね・・)。
そういえば、後から知ったのですが、ここは映画「釣りバカ日誌」のロケ地にもなった場所だった様です。
足摺岬

今回のツーリングの目的地「足摺岬」。
勝間沈下橋から約55㎞、1時間30分弱で到着しました。
メインの駐車場は足摺岬観光案内所の側にありますが、普通車でも20台程度のスペースしかなく、オートバイは車道脇に止めるしかなさそうで、交通の妨げになるのも嫌なので、少し離れた足摺岬東側駐車場に向かいます。
この駐車場は、5~600m程離れているせいか、止まっているクルマも少なくオートバイを堂々と駐車枠内に止めていても問題無さそうでした。
東側駐車場からは車道を歩いて戻ります。
県道27号は、道幅が狭い中を観光客のクルマだけでなく路線バスも運行しています。
このときは、ちょうど道路工事中で、脇に寄る場所も少なかったため気を付けて歩きました。
このルートは「四国のみち」として四国一周の自然歩道の一部を成している様で、海外からの観光客がバックパックを背負って歩いている姿も見かけました。
昨日までの天候が嘘の様に晴れ渡った空と海を眺めることができました。
さすが、ミシュラングリーンガイド・ジャポンで二つ星評価(寄り道する価値がある)とされた場所です。

観光案内所の目の前にそびえる「中浜万次郎」像。
私たちが教わった歴史の中では、「ジョン万次郎」として有名な方ですね。
この辺りのご出身とは初めて知りました。
唐人駄場遺跡
もう一つの寄り道先は、唐人駄場遺跡。
この遺跡は、風化・浸食作用によって出来た巨石群で、縄文時代には周辺に人が住んでいたエリアなんだそうです。
足摺岬を出発して西へ、案内標識に従って県道27号から県道348号(足摺スカイライン)に入ります。
足摺岬から唐人駄場遺跡までは7~8km程度なのですが、この足摺スカイラインと遺跡への分岐以降の路面状況が最悪で、昨日までの天候が悪かったせいか、路面は落ち葉や枯れ枝で埋め尽くされており、それらを踏んで車輪が持って行かれない様にと緊張しっぱなしでした。

約20分掛けて唐人駄場遺跡に到着。
遺跡の入口付近には駐車場は無かったのですが、案内図前の道幅が膨らんだ辺りに止められました。短時間の停車ということもあり、オートバイを道の端に止めて遺跡に向かいます(後で確認したら、ここから数百m下ったところに唐人駄場公園の駐車場とトイレがありました)。



最初の画像は、亀が首を持ち上げたように見える「亀石」。
ところどころ、狭い岩と岩の間や、もたれ合って支えられている様な岩の下をくぐり抜けて進みます。
私も、ほどほどにスリムな方だと思いますが、バックパックを背負っていたため、そのままだとすり抜けるのにも厳しい箇所がありましたので、出来るだけ身軽な格好で回るのが良いと思います。
あと、「毒ヘビ出没注意」だそうですので、季節によっては十分に注意してください。


「千畳敷石」まで来たときに、地元の方と思しきおじさんとすれ違い「ここはパワースポットなんだよ」と教えてもらいました。
霊感の類は全く無い私ですが、この千畳敷石の上は見晴らしが良く、この日の天候の良さも相まってとても気持ちよく過ごすことができました。
この巨石群の全てを見て回れた訳ではありませんが、人も少なくて気が付いたら10時45分。
着いてから1時間近く経過していました。
この日は、暗くなる前には徳島まで戻りたいので、11時にここを出発しました(徳島のホテル着は約6時間30分後でした)。
徳島市~自宅
徳島市~自宅
この日は、朝4時前に起床して、徳島市内のビジネスホテルを4時45分に出発しました。
往路はフェリーでしたが、復路は自走です。
なぜかというと、往路と同じオーシャン東九フェリーで帰ると徳島港発が11時20分で東京港到着が翌日の5時30分になってしまうから。これまでの経験から、フェリー内で十分に睡眠を取るのが難しいことは分かっているので、限られた日程の中でしっかり休養を取るために、この日のうちに自宅に着いて寝たかったんです。
前日は、ホテル早めに寝ることもできていたので、この日の体力は問題ありません。
とは言え、11月の早朝で気温は10℃程しかなかったため、強い味方コミネの電熱ウェアを着込んでいます。
これで、まだ暗い時間の徳島道~神戸淡路鳴門道もへっちゃらでした。
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途中、複数回の休憩を入れつつ、自宅到着は15時ちょうど。
この日は、途中で事故が有ったため、数キロの渋滞には巻き込まれましたが、いつもの渋滞ポイントである横浜町田ICは早めに抜けることができたので、特に大きなストレスも無く、約620㎞を10時間15分で走破。
このツーリングも無事に帰り着くことができました。
※帰ってきてから、足摺岬の到達証明書をもらうのを忘れていたことに気づいたのですが、まあいいか。
ツーリングの概要
実施時期と期間
実施した時期と期間は、次の通りです。
■時期:2024年11月初旬
■期間:3.5日間
行程
今回のツーリングの全行程は以下の通りです。
実走行距離は、約1,320kmでした(オートバイのトリップメーターによる)。
日程 | 区間 | 距離 | 所要時間 | 使用ルート等 |
---|---|---|---|---|
1日目 | 自宅-東京港フェリーターミナル | 20km | 1時間 | 首都高 |
東京港-(徳島港) | 300㎞ | 18時間 | オーシャン東九フェリー | |
2日目 | 徳島港-ホテル(四万十市) | 270km | 4.5時間 | 徳島南部道、徳島道、高知道、国道56号、国道439号 |
3日目 | ホテル-勝間沈下橋 | 15km | 20分 | 国道441号 |
勝間沈下橋-足摺岬 | 60km | 1時間30分 | 国道441号、県道333号、県道20号、国道321号、県道27号 | |
足摺岬-唐人駄場遺跡 | 8km | 20分 | 県道27号、県道348号 | |
唐人駄場遺跡-ホテル(徳島市) | 300km | 6時間20分 | 県道348号、県道27号、国道321号、県道20号、県道42号、 国道56号、高知道、徳島道、 | |
4日目 | ホテル-自宅 | 620km | 10時間15分 | 徳島道、神戸淡路鳴門道、阪高、名神、新名神、伊勢湾岸道、新東名、東名、首都高 |
費用
今回のツーリングの総費用です。
高速料金は、四国内は「ツーリングプラン(香川・徳島・高知コース)」、帰路は「二輪車定率割引」を利用することができました。
No. | 費目 | 金額 |
---|---|---|
1. | 交通費 | |
(1) | 高速料金/有料道路料金 | 12,500円 |
(2) | ガソリン代 | 9,200円 |
(3) | フェリー代 | 31,900円 |
2. | 食費 | 8,600円 |
3. | 宿泊費等 | 20,200円 |
合計 | 82,400円 |
まとめ
四国に上陸して2時間位までの天候は少し辛かったですが、それ以降は晴天に恵まれ、行きたかった場所も見て回れたので、総合的に楽しく過ごすことができたツーリングでした。
移動の面では東京港からのフェリーを試してみたかったため、時間的な組み立ての都合上、3.5日という中途半端な日程となりました。
もし、徳島港に朝に到着するフェリーの便が有ったら、四国上陸後の時間の使い方も違ったと思いますが、このオーシャン東九フェリーの航路の目的地は新門司港なので、このようなダイヤになっているのも仕方が無いです。
これまで、本土最西端(神崎鼻:長崎県)や本土最南端(佐多岬:鹿児島県)を訪れた際も、フェリーで到着した日に目的地に行き、その日のうちに復路のフェリーに乗るという0泊3日(船内2泊)の弾丸ツアーをこなせたのですが、それはフェリーの出発・到着の時刻がうまくできていたからなんでしょうね。
自宅から足摺岬まで自走にする場合、距離は約900㎞。
全て高速道路だとしても、私のペースだと最低15時間程度は掛かりますし、早朝出発でも到着する頃には暗くなっていて景色は見えず、何より体力的に厳しいです。
その点から考えると、初日の目的地を高知市辺りにして、2日目以降を今回のツーリングルートにすれば、自走でも無理なく2泊3日で収まりそうです。
足摺岬は、関東から見て四国の一番遠い場所ではありますが、そこまで行くために必要な距離と時間の感覚が掴めたので、次回以降はこの経験から上手く計画が立てられそうです。
今回は、使える日数の都合で、立ち寄る場所を絞らざるを得ませんでしたが、四国内でまだ行ってみたいところは幾つもありますので、今後の楽しみにしたいと思います。
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