【関東発で北海道ほぼ一周(後編)】釧路湿原・襟裳岬ツーリング(北海道釧路市・えりも町)

2025年夏の北海道ツーリングもいよいよ最終盤。
前編では日本本土四極最北端の「宗谷岬」に、中編では最東端の「納沙布岬」にそれぞれ到達。
これで、この旅の主な目的は達成しましたが、計画では自宅に戻るまであと3日あります。
・・ということで、根室から復路のフェリーに乗船する苫小牧への道中、ルート上の景勝地等を巡って残りの日程を楽しみたいと思います。

目次

根室~苫小牧港(西港)

根室~帯広

ツーリング7日目(北海道6日目)。
この日、根室から太平洋に沿って西進し、釧路湿原に立ち寄ってから帯広に投宿する予定です。

ホテルの客室からの眺め

この日の根室市街は朝から霧が立ち込めていました。
この時期は根室から釧路にかけて、海霧が発生しやすいんだそうです。
ホテルの部屋から駐車場を見下ろしてみたところ、Vストローム650XTに霧が付着して、車体の下に水滴が滴り落ちていました。
濃霧とまでは行かないでしょうが、普段生活している環境ではこれほどの視程の低さを経験することは稀です。
少し緊張しながら根室のホテルを出発したのは6:40でした。

本日最初に目指すのは霧多布岬。
カーナビ任せで国道44号を西に向かい、道道988号に入り姉別駅の側を経由して牧場が点在する道を進みます。
霧がだんだん濃くなり、着ているメッシュジャケットの袖を見下ろして「びしょびしょだな~」と考えていたところ、突然目の端に大きな鳥の姿を捉えました。
驚かさない様にゆっくり道の端にオートバイを止めて見てみると、つがいらしい2羽のタンチョウが餌を探して草地を歩いていました。
野生のタンチョウを見るのは初めてのことなので、しばらく動画を撮りつつ様子を見ていたのですが、じっと見つめられてキモかったのでしょう、さりげないふりをしながらだんだんと私から遠ざかって行ってしまいました。
でも、あきらめて私が出発すると、なぜか2羽が飛んできて、しばらく私を先導するように目の前を飛んでくれたのは嬉しかったです(その動画を撮れなかったのは本当に残念!)。

霧多布岬

その後、間もなくして「霧多布岬展望台」に到着したのは7:50。
根室からここまでは65kmでした。
駐車場から展望台に向けて歩いて行きますが、その名の通り霧に覆われていて岬の突端は良く見えません。

霧多布岬

でも、主な目的は岬の眺めではないんです。
この辺りは、野生のラッコが生息していると聞いていたので、是非見てみたいと思っていました。
崖上の柵辺りに双眼鏡を構えた先客が居たため、ラッコが見えるか聞いたところ「おなかに子供を乗せて浮かんでる」とのこと。
さっそく、海面に目を凝らして見たところ・・・いました!
スマホのカメラで最大望遠にしてみても、距離が有っておなかに子供を乗せているかどうかまでは分かり難いのですが、間違いなくラッコが浮かんでいました。
霧多布岬周辺で、ラッコを観察できる場所はいくつかあるそうなのですが、いつも同じ場所にいる訳ではない様なので、最初に立ち寄った場所ですぐに見ることができたのは運が良かったと思います。

念願のラッコを見ることができたので、満足して8:15に出発。
次に目指すのは釧路湿原の細岡展望台です。
途中、厚岸町にあるセイコーマートで30分程休憩し、JR釧路湿原駅近くの細岡駐車場に到着したのが10:40でした。
かなり気温が上がって来ていて暑くなっていたため、駐車場に隣接するビジターズラウンジで休憩。
少し休んで、展望台まで200mほど歩きます。

細岡展望台へは、釧路市街から国道391号を進み、「釧路町郷土資料館」の手前の道を案内板に従って左折して行きました。その先、釧路本線の2つ目の踏切までは舗装路なのですが、そこから細岡駐車場まではずっとダートになります。無事に通過することはできましたが、私と同様に腕に自信のない方は十分に気を付けてください(細岡駐車場自体は舗装されていますのでご安心を)。

細岡展望台
細岡展望台の案内板

釧路湿原といえば、湿原の中を釧路川が蛇行して流れているイメージなのですが、展望台の目の前の茂みのためか、それとも展望台の位置が低かったせいか、その辺りの様子が分かり難かったのは残念でした。
それでも、とにかく目の前全てが釧路湿原なので、日本最大と言われる大きさは感じることはできました。

釧路湿原も眺められたし、そろそろ出発しようか・・と時計を見ると11:30。
この後は、この日の宿泊地である帯広に向かうだけなので、まだ2時間程度は活動時間に余裕が有りそうでした。
・・ということでこの日のアドベンチャータイム。
地図アプリで検索して、ここから約10km北にある「サルルン展望台」に行ってみることにしました。
細岡駐車場から国道391号に戻り、北上します。
10分程走ると、右カーブの頂点あたりの左手に砂利敷きの駐車場が見えたので入りました。

駐車場は、クルマ数台分のスペースがあり、奥に簡易トイレが1基据え付けられていました。

サルボ歩道案内板
サルボ歩道の始点

ここからは歩きです。
駐車場から国道391号沿いを標茶町方向に200m程歩くと展望台へのトレッキングルートの入口があります。
道は、「サルボ展望台」と「サルルン展望台」の2つの展望台に行くことができる様です(「サルボ展望台」までが約400m、「サルルン展望台」までが約1kmです)。
途中で、それぞれの展望台へのルートが別れるのですが、案内表示があるので迷う心配はありません。

サルボ歩道の案内表示

まずは、距離がある「サルルン展望台」に向かいます。
道は、地形に沿ってそこそこのアップダウンがあります。
人と会うことが少なそう(実際に往復ですれ違ったのは2人だけでした)なので、いるかどうかは分かりませんでしたが、野生動物に遭遇することが無い様にしきりに手を叩いたり声を出していました。

約20分で「サルルン展望台」に到着。
展望台は木組みで、手前から木造の階段になっています。
目の前に「サルルントー」、奥に「塘路湖」を眺めることが出来ます。
適度な高さで目の前を遮るものが無いので、展望は良いです。
細岡展望台も、この様な作りなら良かったなと思いました。
10分程滞在して駐車場に戻ります。
そのついでに、「サルボ展望台」にも寄ってみることに・・。
ただ、こちらは特に眺めが良いと感じなかったので、立ち寄らなくても良かったかもしれません。

野生動物と遭遇することも無く、無事に駐車場に戻ったのが13:10でした。
この後、宿泊地の帯広に向かい、16:00少し前にはホテルに到着。
チェックインして、食料の買い出しのついでにこの地に本店がある六花亭に赴き、定番の「マルセイバターサンド」を調達しました。
奥さんへの配慮も抜かりありません。

帯広~苫小牧

ツーリング8日目(北海道7日目)。
いよいよ、今回のツーリングにおける北海道滞在の最終日です。
苫小牧の出港時間を考えると、フェリーターミナルには17:00に到着していれば問題ありません。
帯広から道東道を使って苫小牧に直接向かうと3時間くらいで着いてしまうので、もう少し時間を有意義に使うために襟裳岬に出て海沿いのルートで向かうことにします。

この日の十勝地方は雨の予報だったため、朝からレインウェアを着用しました。
帯広のホテルを6:30に出発し、帯広広尾道を抜けて休憩のために大樹町にある道の駅「コスモール大樹」に入ったのは1時間後の7:30。
ここまでは、途中パラパラと雨が降ったエリアもありましたが、気になる程ではありません。
15分程休憩した後に道の駅を出発。

「襟裳岬」案内板

途中、広尾町を過ぎて道が海沿いになってきた辺りで雨と風にさらされましたが、襟裳岬に到着した9:00には雨は上がって青い空が見えていました。

襟裳岬「風の館」

ちょうど、「風の館」が開館した時刻だったこともあり、休憩がてら地下2階にある受付にて入館料300円を支払って入館します。
この建物は、近くにある襟裳岬灯台の明かりを邪魔しない様に、地下に建設されているそうです。

えりも風体験

受付近くには風体験ができる風洞があります。
既に順番待ちをしている人がいたので、私も並んで体験してみました。
風洞内は、立つ位置で感じる風力を調節できます。
私は、25m/sの場所は怖かったので、風の吹き出し口から遠いところで気分を味わった程度です。
説明によると、襟裳岬は風速10m/s以上の風が1年の2/3は吹いている場所とのことで、確かにこの日も外では強めの風が吹いていました。

それから、この地は1000頭の「ゼニガタアザラシ」の生息地とのこと。
風の館の地下1階(受付のあるフロアの上階)にある展望エリアは窓際に双眼鏡が据え付けられていて、窓外を観察できるようになっています。
タンチョウ、ラッコに続いてアザラシも見られるのかと期待していたのですが、この日は岩礁によじ登っているアザラシが少ないという説明が案内の方からあった通り、全く見つけられませんでした。

襟裳岬

「風の館」の屋上(・・というか地上と同じなので1階)から岬方向を眺めます。
襟裳岬の説明としてよく目にしますが、山脈が海に沈んで行く様が分かる地形が面白いです。
帯広からの道中の天気が嘘みたいに晴れて、今回の北海道ツーリング最後の訪問地を気持ち良く過ごすことができました。

10:00少し前に襟裳岬を出発。
2時間後の11:50に道の駅「サラブレッドロード新冠」にて休憩です。
日差しも強まってきて、体力が削られてきていたところでした。
パン屋さんで惣菜パンをいくつか買って食べて、走行距離的にもちょうど良さそうだったので、邪魔にならない場所で簡単にチェーン注油も行いました。
この辺りは競走馬の産地だけあって、町全体から馬推しな感じがひしひしと伝わってくるところでした。

道の駅に滞在したのは1時間20分ほど。
13:10に出発して、14:00過ぎには苫小牧市内に到着しました。
このままフェリーターミナルに行くにはまだ時間があるため、汗をかいていたところでもあり日帰り温泉施設でサッパリすることに・・。
フェリーターミナルから10分程の距離にある「なごみの湯」で温泉に浸かってまったりしました。

苫小牧西港フェリーターミナル

日が傾いてきた(・・と言っても、まだ空は青いのですが)16:00頃に腰を上げて、コンビニで食料等を買い込んでフェリーターミナルに向かいました。

苫小牧港(西港)~自宅

苫小牧港(西港)~仙台港

フェリーターミナルで手続きを済ませて待っていると、乗船開始が案内されました。
復路のフェリーも往路と同じ「きたかみ」です。

フェリーの煙突
フェリーからの夕日

出港時間まで時間が有ったので、展望デッキに出てみます。
暮れなずむ苫小牧港からの景色を少し感傷的になりながら眺めます。
夕日の沈んでいる手前の山影は、方向からすると樽前山と風不死岳でしょうか・・。

客室は、往路と同じ「1等クロスツイン」です。
部屋番号は異なりますが、室内の配置は全く一緒です。
乗船前に日帰り温泉でさっぱりしたので、客室に付属するシャワーは使いませんでした。
また、食事はコンビニで買い込んだ食料で済ませたので、ほとんど部屋から出ずにゆっくり過ごし、適当な時間に就寝。
こうして、北海道最終日が淡々と終了しました。

フェリーでいつも悩ませられる就寝時のエンジンの振動について、前編で既に言及してしまいましたが、復路では進行方向に直交して設置されたベッド(写真上段)を使用した結果、全く揺れを気にすることなく翌朝まで良く眠ることができました。
進行方向と平行に設置されているベッドに寝ると、体を横に揺する様に感じる振動が不快なのですが、進行方向と直交して設置されているベッドでは振動を感じなくなりました。
これは、体の向きによって振動の周波数と共振のしやすさの違いがあるのかもしれません。
理論的なところは分からないのですが、進行方向と平行のベッドでも気にならない人はいるでしょうし、体格による共振のし易さなどの要因もあるのかもしれません。

仙台港~自宅

ツーリング9日目。
フェリーは9:50頃に仙台港に接岸。
下船して出発したのは10:10過ぎでした。

仙台港北ICから仙台東部道路に入り、常磐道へと繋いで高速道路を進みます。
この日はお盆期間の終盤のため、渋滞に引っ掛かからず帰り着きたかったこともあり、15:00頃には都内に入っていられるように休憩は少な目でひた走ります。

頑張って走った結果、15:00頃には高速を降りて自宅まで数キロのところにいました。
ここまで来ればもう渋滞の心配はありません。
最後に給油して、不必要にコンビニで休憩を取りながら旅の余韻に浸ります。
トリップメーターを見ると2,700km近く。
例年であれば年間走行距離に相当する距離ですが、1週間程度でよく走ったものです。
しばらくしてから現実に戻り、覚悟を決めて帰宅。
久しぶりに奥さんの顔を見て、無事に帰れたことを実感したのでした(もちろん、お土産のマルセイバターサンドは忘れずに渡しました)。

最後に、不満を言うことも無く気まぐれな旅に付き合ってくれたVストローム650XT。
お陰でとても快適な旅をすることができました。
お疲れ様!
そして、ありがとう!

ツーリングの概要

実施時期と期間

実施した時期と期間は、次の通りです。

■時期:2025年8月中旬
■期間:3日間(総ツーリング期間9日中)

行程

根室から自宅までの行程(ツーリング7~9日目までの3日間)は以下の通りです。
実走行距離は、約958kmでした(フェリーを含むと1,518km)。

日程区間距離所要時間使用ルート等
7日目根室市街-霧多布岬65km1時間10分国道44号、道道988号、道道142号~123号~1039号
霧多布岬-細岡展望台90km1時間50分道道1039号~123号、国道44号、道道1003号、国道391号
細岡展望台-サルボ展望台15km20分国道391号
サルボ展望台-帯広145km2時間30分国道391号、道東道、国道241号、国道236号
8日目帯広-コスモール大樹58km50分国道236号、帯広広尾自動車道、国道236号
コスモール大樹-襟裳岬67km1時間10分国道236号、国道336号、道道34号
襟裳岬-サラブレッドロード新冠72km2時間道道34号、国道336号、国道236号
サラブレッドロード新冠-なごみの湯75km1時間5分国道236号、日高自動車道、国道36号
なごみの湯-苫小牧西港フェリーターミナル6km15分国道36号、道道259号
苫小牧港-(仙台港へ)560km15時間太平洋フェリー
9日目仙台港-自宅365km5時間50分常磐道、首都高
※ 高速道路区間を除いて、所要時間に各場所での休憩・観光時間は含んでいません。

費用

本土最東端に到達した翌日から帰宅するまでの後編3日間の費用と今回の北海道ツーリング全期間の費用を併記します。
入場料等の欄に含まれるのは、日帰り温泉やコインランドリーの利用料です。

No.費目金額(後編)金額(全期間)
1.交通費
(1)高速料金/有料道路料金 6,010円15,210円
(2)ガソリン代6,300円16,700円
(3)フェリー代39,700円79,400円
2.宿泊費13,500円70,800円
3.食費4,600円24,500円
4.入場料等2,650円9,350円
合計72,760円215,960円

まとめ

この後編の3日間では、日本本土四極踏破の目的からは離れ、特にテーマの無いツーリングとして釧路湿原と襟裳岬を中心に巡りました。
全行程のルート設定の関係から、本ツーリングの主目的である本土最北端と最東端に到達した後の残りの行程ということで、何となく消化試合の様な雰囲気になりがちですが、そんなことは決してなく、ラッコやタンチョウ等の自然に生息する生き物に出会える等、十分に北海道らしさを感じて楽しむことができました。

これで9日間にわたる北海道ツーリングは終幕です。
なんだか寂しさを感じますが、これまで家族と出かけた旅行は最長でも3泊4日程度だったので、9日間も、それも自分の好きなように計画して自由な時間を過ごすことができたことは、それなりの年齢である自分にとっても良い刺激になり、心身共にリフレッシュすることができました(実際、帰宅後には、奥さんから憑き物が落ちたようだと言われました)。
また、費用面では、フェリーを個室にしたり、毎日の宿泊先をビジネスホテルやシティホテルにしていたため、キャンプに比べれば高くなってしまったと思いますが、毎日しっかり睡眠がとれて無事に過ごすためには必要なことでした。
なお、今回は、フェリーで苫小牧に上陸してからすぐに石狩市に出て、時計回りに巡って苫小牧に戻ったので、石狩平野から西側には行っていません。
そういう意味では、北海道を一周したとは言えないという心残りがあります。
体力的な面から、いつまでオートバイに乗り続けられるのか分かりませんが、もし、次に機会を見つけられたら、是非そちら側も巡ってみたいと考えています。

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