GIVI等のメジャーなメーカと比べると安価で、デザインも自分好みのオートバイ用トップケース/サイドケースメーカのSHAD。トップケースのSH48は、Vストローム650XTと同時に購入してバイク屋さんに取り付けしてもらいました。
当初は、ツーリング時にレインウェアやお土産を入れることを想定しても、このサイズのトップケースだけで十分だろうと考えていたのですが、あちこち出かけて使っているうちに、ツーリング先での防犯や天候の変化を考えると、ヘルメットとライディングジャケットをトップケースにしまっておきたくなりました。そこで、サイドケースを追加して積載量を増量する計画に着手。
購入するサイドケースは、全体のイメージを統一する観点からトップケースと同じSHADで揃えようと思っていたので、当時日本国内では2種類しかないサイドケースのラインナップ(SH36とSH23)のどちらにするかを考えるだけ。そして、使い勝手を考えた結果、ふたが上に開く方式のSH23を選択しました。できればもう少し容量の余裕が欲しかったのですが、無いものねだりなのでそこは妥協ですね。
それでは、以降で具体的な取り付けまでの流れをご紹介していきます。
用意するもの
一連の作業に必要なものは次の通りです。
- サイドケース SHAD SH23
- 3Pシステムフィッティングキット
(Vストローム650対応品番 SOVS68IF)**現行の品番について下記の注意を参照願います** - リーマー Φ22mm
フィッティングキットを取り付けるため、サイドパネルのボルト穴をΦ16mmまで広げるための工具です。近くのホームセンターで購入しました。 - 六角レンチ
サイズ 4㎜、5mm、6㎜ - プラスドライバー
2022年11月現在、以前はSHAD本国の公式ホームページでしか確認できなかった現行Vストローム650対応品番「SOVS61IF」が、SHAD Japanの公式ホームページでも確認できました(そこから外部サイト「モトカスタム」に飛びますが、品番:26768663として表示されています)。
また、以前は日本未発売だったアルミパネルのSH35も発売となり、SH23、SH35、SH36が共通のフィッティングキットで対応できるようになりました。
なお、サイトで閲覧できる説明書によると、SH23対応と、SH35・SH36対応では、前者の方がより車体からのクリアランスが必要らしく、フィッティングキットを車体に取り付ける際に使用するカラーとボルトの長さが異なっていますので、SH35やSH36に対応する目的で取り付けた場合には、(パイプのエンド部品を付け替えても)そのままSH23を取り付けることは出来ないでしょう。
※以前は、説明書を読み間違えて逆のことを記載しておりました。ごめんなさい。
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取り付け前加工作業
3Pシステムフィッティングキット パイプエンド部品交換
3Pシステムフィッティングキットのパイプエンド部品を取り外し、SH23に付属していたものに交換する作業です。
エンド部品を止めているネジをプラスドライバーで緩めて外し、部品自体を手でねじりながら外します。若干力が必要ですが、非力な私でも問題ありません。
次にSH23付属の部品を手でねじ込み、ネジ穴位置を合わせてネジを締めます。
この作業を左右両側のフィッティングキットに対して行います。
Vストローム650の後部サイドパネル取り外し
タンデムシート下に位置する左右のパネルを取り外します(5箇所が六角ボルトで留められています)。
フィッティングキット取り付け穴の加工
肝の作業です。
取り外したサイドパネルの下側2つのネジ穴を、車体とフィッティングキットの間に挟むスペーサーを通せるようにΦ16mmまで拡張します。
一通り、穴の拡張作業が終わりました。
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3Pシステムフィッティングキット取り付け
サイドパネル取り付け
加工して穴を拡張したサイドパネルを元の位置に取り付けます。その際、使用するのは上段の3つのボルト穴だけです。
タンデムステップ取り外し
フィッティングキットは3点で車体にボルト留めしますが、そのうちの1箇所は、タンデムステップ(写真の〇印の位置)と共締めするため、タンデムステップを車体から取り外します。
タンデムステップとフィッティングキット取り付け
いよいよフィッティングキットを車体に取り付けます。
まずは、フィッティングキットが車体から落ちない程度に付属のボルトを使って締めて仮止めします。
タンデムステップのところも、車体-スペーサー-フィッティングキット-タンデムステップの順にして付属のボルトで取り付けます。
そして最後に、全てのボルトを均等に締めこみます。
サイドケース取り付け
最後にサイドケースを取り付けてみて、ガタつきが無いか確認します。
SH23とフィッティングキットのそれぞれの四角で囲った箇所を①から③の順に合わせて行って(・・というよりは①と②は同時くらいのイメージ)、最後にSH23の③の位置のフタ内部にあるスプリングが付いた固定具で固定するという手順で取り付けます。
少し、薄暗くて見にくいかもしれませんが、動画も撮ってみましたので、取付け手順の参考にしていただけたら嬉しいです。
取り外す際は、この逆の手順になります。
左右を同じ手順で取り付けて完成です。
取り付けた状態で幅を測ったところ、90㎝弱でした。
車体の全幅と同じくらいですね。
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まとめ
最後に、今回の一連の作業に関わる費用や時間、使用感などをまとめておきます。
総費用
サイドケース取り付けに要した総費用です。
一般的なサイドケースの値段を考えると、かなりお得な気分です。
金額は、為替レートの関係で細かくなりすぎたので、丸めています。
- SH23 約19,000円
- 3Pシステムフィッティングキット 約19,500円
- リーマー 約2,000円
作業時間
お金と引き換えにして、作業に費やした時間です。
面倒な方は、素直にお金を払ってバイク屋さん等にお願いしましょう。
私としては、トータルで半日程度で済んだこともあり、良い経験をしたと思える範囲です。
- フィッティングキット パイプエンド部品交換 0.5時間
- パネル取り外しと穴加工 3時間
- 3Pシステムフィッティングキット取り付け 1時間
使用感
何度か使用してみた感想です。
総じて納得の買い物でした。
片側23ℓといっても、なかなかの容量があります
私は、レインウェア、ブーツカバー、ツーリングネットなど出番が頻繁にある訳ではないものを車体右側のケースに入れて、出し入れの機会が多いものを左側のケースに入れるよう仕分けています。
耐荷重量は、片側5㎏ということで、500mlのペットボトル10本と考えるとかなりの重量だと感じます。
また、当初目論見通り、サイドケースを付けたおかげで、ヘルメットとジャケットをトップケースにしまえるようになったので、安心感が高まりました。
ふたが上に開くのは本当に便利です
目的地に着いてグローブを放り込んだり、買っておいた補給食やペットボトル飲料を出して飲食したりするのにアクセスしやすいです。
ただし、ふたの蝶番が車体外側についていて、内側から開ける様になっているので、車体横に立っての出し入れはし難いですし、ふたを開けた状態で保持する機構は付いていないので、手で押さえていないと閉まっちゃうというネガティブな点が有ります。
以上、SHADのサイドケースSH23を取り付けるための作業と使用感をまとめてみました。
同じものを検討している方の参考になったらうれしいです。
また、以下はフィッティングキットをそのままに、SH23からSH36に換装してみた記事です。
こちらもよろしかったら見てみてください。
コメント
コメント一覧 (5件)
Vストローム650XTに乗っています。このブログを参考にSH23を購入し、取付ました。丁寧な説明のおかげで、うまく取付ることができました。ちなみに穴あけは、当初ドリルを買ったのですが、うまくいかず、結局普通のはさみを入れて、ぐるぐる回して開けました(笑)。本情報をアップしていただき、ありがとうございました。
八咫烏さま
ご丁寧なコメントをいただきありがとうございます。
この拙い記事がお役に立つことができたと知り、大変うれしく思います。
穴の拡張作業はご苦労されたそうですが、それでも無事に取り付けられたということで、何よりです。
このくらいのサイズでも、サイドケースがあると何かと便利ですから、これからのツーリングが楽しみですね。
私も、旅を楽しみつつ、またお役に立てるような記事をアップして参りたいと思います。
「3Pシステムフィッティングキット」の設定が無い車種への流用のため情報を探しておりこちらに辿り着きました。
参考にさせて頂きたいのですが、ケースの脱着はどういった形で行われるのでしょうか?
お時間のある時にでも画像など踏まえて解説頂ければ幸いです。
ちなみに、恐らくですが、「教えてふたが内側から開く様になっている」のは、トップケースとのクリアランスが確保しづらい車種の場合でも、蓋の開閉がし易いからではないでしょうか。
わんちゃん大好き犬太郎さま
コメントをいただきありがとうございます。
ケースの車体への脱着手順について、少し時間がかかってしまうかもしれませんが、記事に追加してみたいと思います。
差し当たってですが、以前YouTubeの「SHAD motorcycle casesチャンネル」で見たことがあるのを思い出しましたので、以下にご紹介いたします。
2本あり、どちらもサラッとした内容ですが、ご参考になりましたら幸甚です。
■Technical video – SH23 Alu Look Side Cases
(https://youtu.be/LH1O2Db5vL0)
■SHAD SH23 Maletas laterales
(https://youtu.be/w5rQpoI7xBY)
また、フタが内側から開くようになっている理由は、トップケースとのクリアランス確保ということですか。確かにそうですね。
その様な視点が全く無い素人なので、勉強になります。
また何かお気づきの点が有りましたらご指摘ください。
ありがとうございました。
わんちゃん大好き犬太郎さま
先日コメントをいただいたサイドケースの車体への脱着手順について、簡単ではありますが記事に追加しましたのでお知らせいたします。
よろしければ、お時間のある時にでもご覧いただけましたら幸甚です。