「本州四端」踏破を達成したものの、その後の目的を見失い、(ほぼ酒は飲まないので)チョコレート菓子に溺れ、ただ時が過ぎるのに任せて日々を送っていた特殊サラリーマン(?)の私は、ある日何気なく眺めていたインターネット上のサイトの文字に目を奪われた。
「日本本土四極」!
説明しよう!
「日本本土四極」とは、沖縄と離島を除く、国内の東西南北の最端に位置する宗谷岬(稚内市)、納沙布岬(根室市)、神崎鼻(佐世保市)、佐多岬(南大隅町)のことである。
所在地を所管する自治体の間で「四極交流盟約書」が締結され、様々な交流が行われている・・・らしいのだ。
これは、天啓なのか。
この導きによって、次に目指すべき場所を得た私は、初老の体には少し寒さが気になる晩秋でも出かけられそうな九州の2ヶ所のうち、最西端の「神崎鼻」を最初の目的地に定めたのである。
ツーリングの詳細
大阪南港へ(ツーリング1日目)
自宅から大阪南港まで自走し、九州へはフェリーで移動します。
大阪南港からフェリーに乗るのは今回で2回目。
春に山口県の「毘沙ノ鼻(本州最西端)」を訪れた際に利用して以来です。
早朝4:30に自宅を出発。
足柄SAで最初の休憩を入れ、朝焼けの富士山を眺めます。
その後は、伊勢湾岸道で渋滞に嵌ってしまいましたが、出発から約10時間後の14:40に大阪南港に到着しました。
今回もお世話になるのは、17時発名門大洋フェリーの新門司港行き「おおさかII」です。
新門司港の到着時刻が翌日の5:30ということで、色々混雑し始める前に行動開始できて、当日の時間に余裕を持てるところが気に入っています。
今回の客室はデラックスです(ツーリング1日目)
16:00になり、乗船開始。
今回は、奮発して客室を「デラックス」で予約しました。
6階エントランスの案内所にてキーを受け取り、8階に向かいます。
8階へは、エレベータや階段を利用して向かいます。客室エリアに入るには、自動ドアをくぐります。
その先の通路も、7階以下の客室エリアとは雰囲気が違いました。
写真の奥側2部屋が「スイート」で、手前側8室が「デラックス」です。
こちらが客室とバスルームの様子。
1人で使うには十分過ぎる広さですが、作りや設備はビジネスホテルのツインルームといった印象です。
一息ついた後、17:00にレストランが開店するのに合わせて6階に向かい、バイキングの夕食を済ませました。
18:00過ぎに展望デッキに出て、前回見そびれた明石海峡大橋の下をくぐる様子を眺めます。
※タイムラプスで動画を撮ってみました。
肌寒い中、10分程外にいて冷えてしまったので、部屋に戻ってお風呂に入ります。
有難いことに、部屋には入浴剤が備え付けてありました。
その後は、翌日の出発準備を済ませて早めに就寝です。
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本土最西端「神崎鼻公園」へ一直線!(ツーリング2日目)
翌朝、定刻5:30に新門司港に到着。
まだ日の出前の暗闇の中を「神崎鼻公園」に向けて出発します。
新門司ICから九州道に乗り、長崎道、西九州道と繋いで、約3時間後の9:00過ぎに「神崎鼻公園」に到着しました。
駐車場は、乗用車数台と観光バス1台程度の収容量があり、公衆トイレも完備していました。
本土最西端のモニュメントまでは、駐車場から上に伸びる通常の遊歩道と海中遊歩道のどちらからでも行けます。
モニュメントから海の方を眺めると「平戸島」が見えます。
そのためか、「端っこに来た!」という感覚は得にくいかもしれません。
こちらは、タイルを使って作られた日本地図が特徴的な「四極交流広場」。
周囲には、芝生が敷き詰められているので、暖かい時期の緑がきれいなんでしょうね。
「神崎鼻」は、端っこにある割には非常にきれいに整備されている場所という印象でした。
日本本土四極最西端到達証明書をいただきます(ツーリング2日目)
「神崎鼻公園」で1時間ほど過ごした後、「日本本土四極最西端到達証明書」を入手するために「佐世保市役所小佐々支所」に向かいました。
「小佐々支所」は、小佐々地区コミュニティセンター内1階の入口を入った右手にあります。
こちらで「到達証明書」をいただきたいと伝えたところ、日付印を押印して発行していただきました。
本州四端の到達証明書がどれも有料であったことから、発行料金が掛かるものとの先入観で金額を尋ねたところ、なんと無料でした。
その代わりという訳ではありませんが、建物2階に有るコミュニティセンター事務所でステッカーを販売していると伺ったので、1枚(200円)購入してきました。
因みに、ステッカーは、本土最西端のモニュメントを対象にして、背景が青い海のものと赤い夕日のものの2種類がありました。
ちょっと寄り道「嬉野温泉」(ツーリング2日目)
長崎県までツーリングに行ったのに、なぜ寄り道先が佐賀県の嬉野温泉?という疑問があるかもしれませんが、以前ここを訪れたときから気になっていたことが有ったので、この機会に立ち寄ることにしました。
立ち寄り先は、公衆浴場「シーボルトの湯」です。
以前、奥さんと九州旅行に来た際に嬉野に泊まったことがあるのですが、その時に利用したのは嬉野温泉街から少し離れた「椎葉山荘」でした。
そこの温泉が、「日本三大美肌の湯」と謳われる嬉野温泉のお湯のイメージとは異なっていたため、温泉街のお湯も同じなのかどうかが気になっていました。
・・・とは言っても、関東に住んでる私がしょっちゅう九州を訪れることができる筈も無く、疑問のまま終わるのかなと半ば諦めていたのですが、このツーリングの機会ができたので、利用しない手は無いだろうということで、嬉野温泉に立ち寄る時間を作りました。
「シーボルトの湯」の外観は、とんがり帽子とレンガ色の屋根が特徴的で、昔の病院にありそうな面持ち。
入口を入った先にあるロビーも外観そのままに、長椅子が並んでいれば昔の病院の待合室の様です。
利用料金は、大人420円(70歳以上320円、こども210円)で、券売機で購入します。
あと、タオルが無かったので、名入れタオルも220円で買いました。
そして、大浴場で嬉野温泉のお湯を体験(館内には貸切湯もあります)。
衛生管理の都合上、塩素系消毒剤の臭いはありましたが、とろみのあるまろやかな弱アルカリ性のお湯でした。
また、お風呂から出た後、50代後半のおじさんの肌さえもスベスベになっていましたので、「なるほど『日本三大美肌の湯』と謳われるだけのことはあるんだな」と感じることができました。
風呂上がりに、2階にある休憩所からルーフバルコニーに出て、建物の横を流れる塩田川を眺めます。
山あいの温泉地という雰囲気で、なんだかとてもゆっくりとした時間が流れていました。
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再び新門司港へ(ツーリング2日目)
嬉野温泉の「シーボルトの湯」で過ごした時間はちょうど1時間。
12:30となり、新門司港に戻るのに良い頃合いです。
まともに昼食が取れていませんが、途中の高速のSAで何か口にすれば良いかな・・。
新門司港のフェリーターミナル到着は14:30。
結局、到着時間に不安が有ったため、何も口にしないまま来てしまいました。
ここにはレストランが有るので、そこで食べられるかなと考えていたのですが、14:00で閉店でした。
結局、常備していた補給食を食べておしまい・・。
16:00になり、乗船開始。
大阪南港行きのフェリーも、名門大洋フェリーの「おおさかⅡ」で、部屋も往路と同タイプ。
折角なので、出航までの時間で動画撮影してみました。
今日のところは、九州と「さよなら」です。
本土最南端もあるし、そう遠くないうちにまた来ることになるでしょう。
温泉に浸かって疲れたこともあるし、今日は良く寝られたら良いな・・・。
(でも、往路と同様、あまり眠った気がしないまま大阪南港に着いてしまったのでした。)
安全運転で帰りましょう!(ツーリング3日目)
翌朝、定刻に大阪南港に到着。
フェリーターミナル近くのガソリンスタンドで給油して、6時過ぎに出発しました。
それ以降、部分的に詰まる場所は有ったものの、特に大きな渋滞にハマることも無く7時間30分程で東名港北PAに到着。
残りの20km位を気合い入れて走るために、少し長めの休憩を取ってから再出発。
15:00頃には無事に自宅に到着(9時間で走破)できました。
ツーリングの概要
実施時期と期間
実施した時期と期間は、次の通りです。
■時期:2022年11月初旬
■期間:3日間
行程
今回のツーリングの全行程は以下の通りです。
日程 | 区間 | 距離 | 所要時間 | 使用ルート等 |
---|---|---|---|---|
1日目 | 自宅-大阪南港 | 510km | 10時間 | 首都高、東名、新東名、伊勢湾岸道、新名神、名神、阪高 |
大阪南港-(北九州新門司港へ) | 460km | 12時間30分 | 名門大洋フェリー | |
2日目 | 北九州新門司港-神崎鼻公園 | 210km | 3時間 | 県道25号、九州道、長崎道、西九州道、県道139号、県道18号 |
神崎鼻公園-嬉野温泉 | 60km | 1時間30分 | 県道18号、県道139号、西九州道、長崎道 | |
嬉野温泉-北九州新門司港 | 165km | 2時間 | 長崎道、九州道、県道25号 | |
北九州新門司港-(大阪南港へ) | 460km | 12時間30分 | 名門大洋フェリー | |
3日目 | 大阪南港-自宅 | 510km | 9時間 | 阪高、名神、新名神、伊勢湾岸道、新東名、東名、首都高 |
費用
今回のツーリングの総費用です。
高速料金は、今年4月から11月にかけて土日祝日の100km超限定で実施されている「二輪車定率割引」制度が適用されたので、安く済みました。ただ、フェリーは、当初「ファーストS」で計画していたところを、奮発して「デラックス」にしてしまったので、往復で3万円ほどお高くなってしまいました。
No. | 費目 | 金額 |
---|---|---|
1. | 交通費 | |
(1) | 高速料金/有料道路料金 | 22,700円 |
(2) | ガソリン代 | 9,900円 |
(3) | フェリー代 | 53,500円 |
2. | 食費 | 6,300円 |
3. | 入場料等 | 1,000円 |
合計 | 93,400円 |
まとめ
今回は、3日間という制約の中で、新門司港から200km以上ある目的地を目指したこともあり、自宅から大阪南港までを含めて1,500km近く走ったのに、通った道の98%は高速道路でした。
そのせいか、ツーリングを楽しんだというよりも、ドラクエでレベル上げのためにスライムと戦い続けた様な、淡々と流れ作業をこなしただけという感が否めません(1ケ所でもワインディングロードに寄れていたら違ったのかもしれませんが、温泉に行ってしまったので・・)。
でもこれは、今回の計画の組み立ての問題であって、「神崎鼻」を目指したことが悪い訳では無いので、念のため申し添えておきます。
それでも、九州って関東から1,000kmもある遠い場所で、オートバイでツーリングしようとするとかなりハードルが高いのですが、3日間を確保できて往復とも関西からフェリーを利用する前提なら、2日目の6:00~15:00頃(帰りの便を名門大洋フェリーの2便にするなら18:00頃)の間の9時間(または12時間)を使えるので、フェリーターミナルから200km位の今回の様な場所であれば楽しめる範囲なんですね(使う道は高速がメインになってしまいますが)。
この点は、今後また九州を訪れる際に非常に参考となる実体験でした。
以上が、日本本土四極のうち、最初に到達した最西端「神崎鼻」へのツーリングの記録です。
次は、いよいよ北海道かな?(お金が貯められればですけど・・)
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