今回は、自分史上最長のロングツーリングです。
目的地は、青森県の下北半島と津軽半島のそれぞれの端っこ。
Googleマップによると、私の住む関東南部から本州最北端の大間崎までは、およそ850kmの彼方になります。
若くはない体への負担を考慮して、3泊4日で巡りました。
実施時期と期間
実施した時期と期間は、次の通りです。
■時期:2021年7月末
■期間:4日間
行程
実際に走行した行程を以下の表に示します。
全行程の70%を占める高速道路では、時速80~90kmで走って1時間30分毎に20分程度の休憩を入れるものとして計画(平均時速は60km+αで、自分の経験上、疲労を最少にして効率よく距離を稼ぐためのペースです)。途中トラブルに見舞われたものの、調子に乗って走っていた区間もあったので、ほぼ計画通りの所要時間で走れました。
距離は、数字を丸めているので、多少の誤差があるのはご容赦願います。
日程 | 区間 | 距離 | 所要時間 | 使用ルート |
---|---|---|---|---|
1日目 | 自宅-八戸 | 710km | 11時間30分 | 首都高、東北道、八戸道 |
2日目 | 八戸-尻屋崎 | 120km | 2時間30分 | 国道338号、県道248号、県道172号 |
尻屋崎-恐山 | 45km | 1時間 | 県道6号、県道266号、県道4号 | |
恐山-大間崎 | 60km | 1時間20分 | 県道4号、国道279号 | |
大間崎-仏ヶ浦 | 40km | 1時間 | 国道338号 | |
仏ヶ浦-脇野沢港 | 35km | 55分 | 国道338号 | |
脇野沢港-蟹田港 | 20km | 1時間 | フェリー | |
蟹田港-弘前 | 80km | 1時間30分 | 国道280号、東北道 | |
3日目 | 弘前-十三湖 | 55km | 1時間15分 | 国道7号、国道339号 |
十三湖-龍飛崎 | 40km | 1時間 | 国道339号(竜泊ライン) | |
龍飛崎-津軽岩木スカイライン料金所 | 100km | 2時間30分 | 国道339号(竜泊ライン)、県道12号、 国道101号、県道3号 | |
津軽岩木スカイライン 料金所-8合目(往復) | 10km×2 | 20分×2 | 津軽岩木スカイライン | |
津軽岩木スカイライン料金所 -宮城県大和町 | 320km | 6時間 | 県道3号、国道7号、東北道 | |
4日目 | 宮城県大和町-自宅 | 400km | 6時間 | 東北道、首都高 |
費用
関東発本州最北端ツーリングの総費用は、次の通りです。
No. | 費用 | 金額 |
---|---|---|
1. | 交通費 | |
(1) | 高速料金/有料道路 | 29,000円 |
(2) | ガソリン代 | 11,000円 |
(3) | フェリー代 | 4,400円 |
2. | 宿泊費 | 23,000円 |
3. | 食費 | 5,500円 |
合計 | 72,900円 |
ツーリングの詳細
自宅から八戸へ(ツーリング1日目)
1日で下北半島に突入できる自信が無いので、まず初日は八戸を目指します。
それでも700km超はあるんですけどね。
朝5:00前に、自宅を出発。東北道の浦和料金所通過が6:00前です。
9:30頃、お腹が減ってきたので国見SAにて食事にしました(このとき同SAは何かの工事中)。
1時間弱の休憩の後に再出発。
その後も淡々と走り続けますが、走行距離が500kmを超えて花巻JCTあたりを走行していた13:00頃にトラブル発生。
急激にスピードが落ち始めたので、とっさに路肩に寄ってクラッチを切り、惰性で走っていたものの、ついにはエンジンがストップしてしまいました。
あ~あ、痛恨のミス。ガス欠です。
それでも、気を取り直して車体を揺すってみると、わずかですがタンク内にガソリンが残っている様でした。恐る恐るスタートスイッチを押してみると再始動したので、出来るだけ次のICに近づける様、すぐに走り出して路肩をゆっくり進みます。
数百m走っては燃料切れでストップするということを何度か繰り返しましたが、何とか次のICから出て給油することに成功。命からがら危機を脱することができました。
ああっ、「満タン」とはなんと心地よい響き、なんという安心感。満タン最高!ありがとう、岩手県!
その後も、これまで通りのペースで距離を重ね、16:30頃にこの日の目的地の青森県八戸市に到着したのでした。
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尻屋崎の寒立馬に会いに行く(ツーリング2日目)
2日目です。この日は、尻屋崎 - 恐山 - 大間崎 - 仏ヶ浦と下北半島の名所を巡って、津軽半島側に移動するというかなり詰め込んだ計画です。津軽半島側には、脇野沢港から「むつ湾フェリー」で渡るべく予約をしてありますので、フェリー出港時刻15:30の30分前には、港に到着している必要が有ります。
朝4:00に起床して、泊まっていたビジネスホテルを5:00に出発しました。最初の目的地「尻屋崎」までは、八戸から一般道のみで120kmくらいの距離です。航空自衛隊の三沢基地や六ケ所村など、普段はニュースでしか目にしない施設名や地名の書いてある標識を眺めながら走ります。
途中のコンビニで一度休憩を入れつつ、尻屋崎手前で予想外に現れる巨大なセメント工場に面喰らいながら、約2時間30分で尻屋埼灯台に向かう入口ゲート(西側)に到着です。
ゲートをくぐってしばらく行くと、右手に駐車場とトイレ、その傍に数頭の寒立馬の姿が見えました。
しっかりした脚をしていますね。
一緒に記念撮影をさせてもらいました。
灯台は、もう少し進んだところにありました。
しかしこの天候。もやがかかっていて、視界は30m程度です。
灯台はハッキリとは見えず、波の音は聞こえるものの海も見えずで、いまひとつ岬という実感は湧きませんでした。
まあ、今回はこれで良しとして、次の場所に向けて出発します。
恐山は怖いところじゃない!(ツーリング2日目)
次の目的地は「恐山」です。
尻屋崎から恐山は、一般道で40km程度の距離なので、ざっと1時間で着ける見込みです。
むつ市街をかすめて走ります。恐山に近づくにつれて山道になり、少し硫黄臭を感じるようになります。
その後、いくつかのカーブを抜けると、視界が開けて「宇曽利湖」が見えてきました。
湖畔に沿って進みます。
この道を横切るように宇曽利湖に流れ込む小川では、川底からボコボコと気泡が出ており、温泉が湧き出ている様でした。
先に進むと赤い太鼓橋が見えてきます。この橋が架かるのが三途の川(正津川)。雰囲気が出てまいりました。
ここを通り過ぎた先に恐山菩提寺の駐車場があります。時刻は9:10で、尻屋崎からちょうど1時間でした。
総門の横の事務所に行き、入山料500円を納めます。
総門です。
なぜか「ポケモンGO」禁止の注意書きも・・。
さすがに愛好者にも場所をわきまえてもらいたいものです。
境内を奥の山門に向けて進みます。
参道の左手には、赤い屋根の本堂とイタコの口寄せの会場がありました。
今でもいらっしゃるんですね。
そして、山門をくぐると右手に「恐山温泉」の小屋が・・。珍しいお寺の境内にある温泉です。
こちらは男湯となっていましたが、参道をはさんで左側には女湯もありました。
入山料を納めたら入浴もできるようですが、ちょっと時間の余裕が無いので今回は断念です。
奥の地蔵殿でお参りをしてから、その西側に広がる荒涼としたエリアに足を踏み入れます。
ごつごつした火山性の岩石の塊が、そこかしこに転がる荒涼とした景色が広がります。
この高台から宇曽利湖の方を見ると「極楽浜」が臨めます。
浜には人の姿も見えました。
う~ん、行ってみたいけど、そろそろ出発しないといけません。
さて、恐山ですが、その呼び名のせいもあるでしょうが、子供の頃からテレビの心霊番組等で散々オドロオドロしいイメージを植え付けられてきた場所でしたが、訪れてみると自然の力を感じられる風景の中に建つ修業の場という印象のお寺でした。
宿坊が併設されおり、大浴場も備えられてもいる様ですので、機会が有ったら宿泊もしてみたいです(朝のお勤めもパックになっている様です)。
時刻は10:00です。そろそろ出発します。
お土産に、売店で「恐山せんべい」を購入しました。甘さ少なめでごまが入った、丸い形の瓦せんべいといった感じのお菓子でした。
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本州最北端!大間崎(ツーリング2日目)
次は大間崎を目指します。
遠回りになりますが、恐山からは東にある「むつ市」の市街地に進み、北の津軽海峡方向に出て、海沿いに西に向かうルートを取ります。
事前に調べたところだと、下北半島西側は携帯の電波が入らない未舗装路があるということだったので、そんなところでフルパニアのオートバイが疲れて寝転んでしまったらと思うと恐怖でしかないですからね。
道すがら、下風呂温泉の看板を目にしつつ、比較的穏やかな海を右手にして走ります。
そして、恐山を出発してから1時間20分後の11:30、写真で見たことのある「本州最北端の地」の碑の前に到着。
途中、2㎞ほど離れた漁港の方に行ってしまうという間違いも起きましたが、無事に着けて良かったです(私を信じて漁港まで付いてきてくれた大勢のライダーの皆さん、ゴメンナサイ)。
取り敢えず、記念撮影。
海は、今朝の尻屋崎ほどではないものの「もやって」いて、天気が良ければ見えるはずの北海道も見えません。
残念!
近くにある「まぐろ一本釣の町 おおま」のモニュメント前に行ってみますが、大勢の人が順番待ちをしている中で撮影会が展開されていました。この列に並ぶ時間も無いし、気持ちもダークサイドに落ちそうになってきてしまったので、早々に退散することに。時間的に食事を取りたいところですが、落ち着けそうになかったため諦めました。
大間崎の感想ですが、誤解を恐れずに言えば、それほど「北の果て」を感じられる場所ではありませんでした。
当然と言えば当然ですが、マグロ漁の基地として、また北海道の函館との間を連絡するフェリーのターミナルとして栄えているところです。そんなこともあり、かなり観光地化されている印象でした(行ってみて分かることもありますね)。
なお、このときは「本州最北端大間崎到着証明書」は全く意識に無く、このツーリングを終えてしばらく経ってからその存在を知ることになるのでした。
奇岩の宝庫だ!仏ヶ浦(ツーリング2日目)
さて、次は仏ヶ浦に向けて出発します(大間崎の滞在時間は、たったの10分程度・・)。
大間崎から仏ヶ浦までの距離は、国道338号1本で約40kmです。
この道は、直線が少ないのでスピードを下手に出さずに済みますし、小さいカーブの連続なので結構テクニカルで、意外にも楽しかったです。
仏ヶ浦の看板を見つけて駐車場への坂道を下ります。結構な勾配です。
駐車場にオートバイを止め、常備している補給食を口にします。気温は30℃を越えており、先客のライダー2人が木陰でぐったりしていました。水分も取って、落ち着いたところで仏ヶ浦への道を下り始めます。
結構な高低差(100mくらい)があり、下るだけで15分以上掛かって浜まで下りてきました。
素晴らしいです。見たことの無い景色が広がっています。
大間崎の天候が嘘の様に青空が広がって、白い岩とのコントラストを際立たせています。
浜に転がっている岩も、開きかけの花の様です。
これなんか、アメリカの4人の大統領の顔が刻まれている有名な岩に見えなくもないですよね(「マウントラシュモア国立モニュメント」というらしいです)。
浜に下りてから30分程経ったでしょうか。仏ヶ浦を十分に堪能することができました。
ここは本当に素晴らしいですね。ただ自然の力に圧倒されるばかりです。
下北半島に来る機会が有る方には、ぜひ立ち寄ることをお勧めします。
浜から駐車場まで20分ほど掛けて戻ってきました。
時刻は13:50。フェリーに乗る脇野沢までは約30kmですが、道が山側に入って行くので1時間は見ておきたいです。
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ドキドキのフェリー初体験「むつ湾フェリー」(ツーリング2日目)
仏ヶ浦の駐車場から再び国道338号に出ます。駐車場出口の上り勾配がキツいので、一旦停止の場所と左右確認にちょっと気を使います。
国道をしばらく進むと、道は内陸側に入りワインディングとなります。それでも、特別急ぐこともなく淡々と走り、1時間弱で脇野沢に到着しました。
フェリー乗り場の乗船券発売所で受付を済ませます。オートバイはフェリーに近いスペースで乗船を待つように指示をされ移動させました。これで取り敢えずは、出港までゆっくりできます。
津軽半島側の蟹田港からの便が到着します。
眺めていると、クルマやオートバイだけでなく、徒歩の人もいます。大湊駅に出られるバスの便が有るんですね(・・といっても4~5便/日の様ですが)。
到着便の乗客の下船が終わると、いよいよ乗船開始です。オートバイは私を含めて6台です。甲板員の指示に従って、順に所定の場所に駐車していきます。
そして、縛り付けられた愛車を横目に、客室に向かいます。
定刻の15:30となり出港です。
客室は、冷房が良く効いているのですが、ちょっと寒がりな私はデッキに出ることにしました。
程よく風が吹き、暑さを感じないくらいで、ちょうど良かったです。
下北半島がだんだんと遠ざかります(頭の中ではなぜか宇宙戦艦〇マトのテーマ曲が流れています)。
このフェリーは、蟹田港まで約1時間ということで、ちょっとした船旅の気分を味わえて良いですね。
16:30に予定通り蟹田港に到着します。ここから、今夜の宿泊地の弘前に向かいます。
翌日、最初に龍飛崎に向かうことを考えると、青森か五所川原の方が良かったかもしれませんが、巡る順番を最終決定したのがこの日の夜だったので仕方ありません。
蟹田港からは、国道280号と東北自動車道を使って弘前へ。到着はまだ明るい18:00でした。
この日も無事に過ごせて良かったです。
走行距離が1日目と合わせて1,000kmを超えたので、チェーンに注油しなければ・・・。
<参考としたWebサイト>
下北半島のツーリング計画を立てる際に参考とした、Webサイトをご紹介します。
特に、「下北ナビ」は、ドライブ情報が大変参考になりました。
■下北ナビ
■佐井村
■むつ湾フェリー
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